PANZER(パンツァー) 2019年 09 月号 [雑誌]

特集は全30頁でカラー14枚、モノクロ写真12枚に加えて日本戦車研究の第一人者吉川和篤氏の「開発と配備の歩み」と「戦闘の記録」の二論文、さらに「ペリ子ちゃんのイラスト」、プラモデルガイドも警視庁「工作車」、他に里帰り計画の宣伝へーじも。日本最多生産の九五式軽戦車は第一次大戦後の騎兵不要論に対応して延命を図った騎兵部隊がサイドカーや装甲車に加えて企画。始まりは九二式重装甲車、時速40kmの快速を生かして満州事変で活躍（わずか2輌だったけれども）。九五式の試作は技術本部の自主研究からとか。その後二次試作へと進む中で「北満型」ボギーの実用化、車体側面バルジ大型化も。しかし第一次上海事変の戦訓により現場からは装甲強化の訴えもあったのだが却下。これが日本の国力の限界で後々悲惨な結果をもたらしたのだ。基本構造・装甲・機関・砲塔・展望塔・無線機・戦車砲・機関銃・懸架装置・履帯・発動機にいたるまで詳細に解説。車外から連絡可能なブザーについても。その後の役にはたたなかった後継・改修型、さらに戦後に警視庁の「工作車」や民間での利用にも触れる。「戦闘の記録」は昭和14年7月満蒙ノモンハンでの初陣（夜間攻撃）、マレー攻略戦での再度の夜間戦闘からフィリピン、ビルマ進攻、それに連合軍の反攻に対する数限りない苦戦、最後は千島占守島での健闘。そして戦後アジア各地での活用も。連載は「能勢伸之のツキイチ安全保障・７」それにしても「かもしれない」症候群はどうにかなりませんかね。「火箱芳文の半生記・５」は第一空挺団中隊長の日々。あれ、もうひとつ新連載あったはずだが・・・。グラビアはたくさんあるが米海兵隊の戦車砲手射撃検定の画像のなかで上から映した偽装も装具もすくない写真が情報量大で必見。モノクロではM3A1偵察車、敵国ドイツを含む各国での使われたことがよくわかる。